区分所有の問題点について

2018年10月28日

マンションや事業用不動産の一棟のうちの一部を複数の所有者が区分して所有する形態を区分所有といいます。一棟の建物は、各所有者が独立して所有する「専有部分」と専有部分以外の「共用部分」に分かれています。例えば、マンションの各戸が専有部分で、階段、廊下、エレベータなどが共有部分になります。配管や配線も、各戸の居住部分である専有部分に属するものとマンションの住人が共同で利用する共用部分に属するものに分かれています。

 最近マンションの建て替えが問題になっていますが、建て替えにはマンションの区分所有者の5分の4以上および議決権の5分の4以上の多数の賛成が必要で、建て替えに費用負担が必要になる場合は、高齢の区分所有者などが賛成せずに決議ができないこともあるようです。

 マンションに限らず建物を長期間維持するためには、絶え間ない修繕や改修が必要であり、区分所有という形態には大きな問題点があるのではないかと考えます。共用部分に対する責任が原則として専有部分の床面積に比例した共有責任になっていることです。区分所有という制度は、言葉の響きとは裏腹に、共に責任を負わないということにもなり建物機能の維持という観点からは、甚だ無責任な制度にみえます。

 建物の所有と機能の維持管理の責任は単独で行い、各戸はそのスペース利用権を所有するという形態が良いのではないかと思われます。米国のトランプ大統領が所有するトランプタワーもこの形態で、コンドミニアムと呼ばれているようです。

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