不動産ビジョン2030

2019年06月29日

 国土交通省がなんと27年ぶりに「不動産ビジョン」を公表しました。これまで、1986年と1992年に策定されています。令和時代の「不動産最適活用」に向け、官民共通の指針として「不動産ビジョン2030」をまとめました。少子高齢化と人口減少により不動産需要は縮小が見込まれる一方、空家・空き地の遊休不動産は増加が見込まれ、既存ストックは確実に老朽化します。このような時代環境の変化とAIやIOT技術が進化するなか、不動産業は「最適活用」を通じて価値創造の最大化が期待されていると書かれています。報告書を読んでも「最適化」の中味はよくわかりませんでしたが、今必要なのは、人口増加と不動産需要の増大を前提としてきた時代が変化し、人口減少と不動産需要の縮小に対応する制度に変更しなければならないということだと思います。「最適活用」というのは、国土法や都市計画法を見直すことだと思いますが、報告書には1行もありませんでした。

 弊社は、人と不動産の「最適化」を目指すことを創業の基礎に置いています。不動産は地理的には唯一無二のものです。所有者は、時代的にたまたま所有者であるに過ぎませんし、不動産の価値自体も人類や社会と離れては意味がありません。不動産の価値を最有効利用するためにも、時代や環境、社会に応じた最適化が必要になります。昭和時代に商店街や住居だった場所が現在は駐車場として利用されています。最有効活用としてはマンションや店舗だと判断されますが、所有者の都合が優先されます。AIやIOT技術を活用すれば、昼間は満車、夜間はがらがらの駐車場の効率運用が可能になります。一つの場所を複数の人がシェアするのです。

 大分駅前の「祝祭の広場」の最適活用も来年から本格的に議論されると思います。写真は工事現場の壁面に描かれていたイラストですが、パブリックヴューイングと屋台村が描かれています。色々と騒いでコンペをやったりしましたが、若草公園や駅前広場の利用方法と変わっていないように思います。

祝祭の広場1

祝祭の広場3