民法改正について

2020年02月29日

 4月1日から改正民法が施行されます。契約関係(債権法)については、なんと明治29年以来124年ぶりの大改正です。社会経済情勢が大きく変わっているのにこれまで改正されなかったことが不思議です。

 不動産取引等に関する改正内容の主な点は下記のとおりです。①規定の新設(敷金、賃借人の修繕権、賃借人の原状回復義務、個人根保証の限度額)、②賃貸借契約の存続期間の変更(20年→50年)、③法定利率の変更(5%→3%)、④瑕疵担保責任から契約不適合責任への変更など。

 新設された既定のうち、敷金、賃借人の修繕権、賃借人の原状回復義務などは、おおむね取引で実際に行われていることを追認した形になっています。ただ、個人根保証の限度額については新たな内容になっています。

 賃貸借契約において、賃借人の債務(延滞賃料など)を保証してもらうために連帯保証人をつけてもらうことが一般的に行われていますが、保証の限度額は定めていませんでした。改正後は、書面で限度額を定めなければ無効になります。限度額が高額すぎると保証人になる人がいなくなることが予想されます。

 瑕疵担保責任から契約不適合責任への変更とは、これまで売買契約の時には気が付かなかった瑕疵(種類、品質、数量などが契約の内容に適合しないこと)に対しては、代金の減額請求、代替物への変更、目的物の修補が認められなかったところを、変更してこれらが認められるようになったということです。

 4月1日以降に結ばれる契約から適用になります。賃貸借契約は2年ごとの自動更新になっていることが多いので、3月31日以前に結ばれた契約は更新後も改正前の民法が適用されるので注意が必要です。

金池4丁目貸家①