路線価とコロナの影響

2022年07月31日

 7月1日に国税庁から路線価が公表されました。路線価は、税務署が贈与税や相続税の計算の基準にする土地の評価額で、毎年1月1日現在の全国の道路に面した土地の1㎡あたりについて、「商業地」と「住宅地」に分けて発表されます。国土交通省が、土地取引の目安として毎年公表する公示価格と比べると、2割程度安く設定されています。

 大分県内の9税務署管内の住宅地3,174地点については、昨年より「上昇」したのは600地点ありました。「下落」は697地点で、残りの1,877地点は「横這い」でした。上昇した600地点のうちなんと599地点は大分市内で、1地点は別府市内です。県内の最高価格地点は、5年連続で大分市末広町一丁目の「大分駅北口ロータリー」でした。53万円/㎡(坪175万円)で昨年と同額でした。住宅地については、大分市と別府市の1地点を除いては「横這い」か「下落」であり、人口減少が影響していると思われます。

 全国的には、平均値が昨年に比べプラスになり、新型コロナで打撃を受けた昨年から持ち直しの動きがみられるようです。大分駅前の再開発の場合と同じく、札幌駅前、福岡市天神など都心の大型開発が行われている場所の上昇が目立つようです。全国の最高価格地点は、37年連続で東京銀座五丁目の「鳩居堂」前で、4,224万円/㎡(坪1億3,964万円)でしたが、前年比マイナス1.1%、2年連続の下落でした。

 テレワーク、リモートワークの普及により、東京都心5区のオフィス空室率は、昨年以降不況の目安である5%を上回り6%台で推移しており、千代田区や中央区で1.3%の下落をしたエリアもあるようです。コロナの影響で、在宅勤務が定着した企業も増え、NTTは全国どこからでも、また飛行機を利用しての通勤も可能という方針を発表するなど、働き方の変化が激しくなっています。「不動産激変」(牧野知弘著:祥伝社)には、国東半島に住み東京に通うメディア関係の人が紹介されています。

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