防火設備の管理

2022年10月31日

 現在、「5階以上、延べ床面積1000㎡以上」で、自治体が指定したビルの所有者は、建築基準法に基づき、防火設備(外部への避難階段、排煙設備、非常用照明など)の定期点検を行って自治体に報告する義務があります。国土交通省は、2023年4月からこの基準を「3階以上、同200㎡以上」に変更し、対象範囲を拡大するとの報道がありました。

 消防法では、「延べ床面積1000㎡以上」の防火対象物について、消防用設備(消火器、消火設備、火災報知設備、誘導灯、スプリンクラー設備、非常電源、ポンプ、配線など)の点検を行い、1年ないし3年に1回消防署長あてに報告することが義務付けられています。

 消防法では、「多数の者が出入りし、勤務し、又は居住する防火対象物」の所有者は、「防火管理者」を定め、消防計画の作成、防火設備の維持・管理、防火管理上必要な業務を行わせることを義務付けています。

 防火管理の実施や消防用設備の設置基準は、建物の用途や危険性などに応じて、「消防法施行令別表第1」に細かく定められています。例えば、防火管理者の選任が必要な収容人員については、劇場、映画館、カラオケボックス、飲食店、デパート、ホテル、病院、診療所などは30人以上、マンションなどの共同住宅、学校、倉庫などは50人以上、自力避難が困難な老人施設、障害者施設などは10人以上となっています。

 収容人員は、通常、従業員と客を合計します。客数は、いすやベッド数によって算定する場合と床面積を一定の面積で割って計算する場合があります。防火管理者の資格は、甲種と乙種に分かれています。甲種は、建物の用途、規模、収容人員にかかわらずすべての防火対象物の防火管理者になることができますが、乙種は、用途、規模、収容人員によって制限があります。

防火設備

防火管理者修了証