市街化調整区域について

2023年08月31日

 市街化調整区域という言葉をご存じでしょうか?都市計画法で、「市街化を抑制すべき区域」とされ、原則として建築物を建てることができない区域のことです。市街化すなわち住宅の建設を抑制して農業を守らなければならない区域ですが、大分市内では、住宅化が進行しているわさだや明野地域にも「市街化調整」区域が残っています。下記地図の白地の部分が「調整区域」です。

 わさだ地域の場合、国道210号線(通称:ホワイトロード)を挟んで北側は「市街化」区域でわさだタウンをはじめ、商業施設が集積しています。他方、ホワイトロードの南側は「市街化調整」区域です。従って、建築物は建てることができないはずですが、ガソリンスタンド、住宅展示場、クリニック等が道路沿いにずらっと並んでいます。

 実は、「市街化調整区域」内であっても、例外的に建てられる建物があるのです。周辺地域の居住者が利用する施設です。例えば、学校、専修学校、各種学校、社会福祉施設、更生保護施設、病院、診療所、助産所、整骨院、理美容室、中古車ディーラー、修理工場等々です。農業用の施設はもちろん農業従事者の住宅も建てられます。一見すると、「市街化」区域と「市街化調整」区域の違いはわかりません。他の地域では、アパートが建っている「市街化調整」区域もあります。住宅展示場が、周辺居住者の生活にとってどれだけ重要性が高いのかよくわかりませんが、施行令に記載があるので認められるようです。

 大分市は、大分川と大野川に挟まれており、両河川が削り残した台地上に住宅地が広がり、平野は農地に利用されています。住宅地に適した平野が少ないにもかかわらず、市内元町や大分駅南側には広大な公園が整備されています。市街化調整区域や公園配置の見直しなどが必要だと思います。

 

市街化調整区域