不動産IDについて
2024年11月30日
不動産IDについて
土地や建物が登記されると、登記事項証明書の「表題部」に13桁の「不動産番号」が表示されます。登記していない不動産には「不動産番号」がありません。政府は、この不動産番号に加えて、集合住宅(マンションやアパート)の各部屋に4桁の番号を割り振り、17桁の「不動産ID」として住所を識別する「実証実験」を、本年12月から東京都港区、大阪市、札幌市などで約20の自治体と始めると報道されました。
我が国は、土地と建物を別々の不動産としていますので、土地には「地番」があり、建物には「家屋番号」があります。「住居表示」は、まさに住居の表示なので、建物がないところには「住居表示」がありません。登記簿では「地番」を「所在」として「家屋番号」をつけているので、「地番」とは異なる「通称」と呼ばれる「住所」が使われている地域もあります。「住所」のデジタル化は大変です。
別府市では、「登記簿表示」と「通称」との二重表示を解消するために、今年1月から「住居表示」の導入を図っていますが、来年1月に11町増え、再来年1月にもまた増える予定だそうです。
不動産に関するDX化は、消費者とのインターフェース、例えば、物件検索や契約手続き(IT重説)などに注目が集まっていますが、業務の効率化や相場情報のデータベース化など、不動産情報の根幹をなす土地や建物の識別(特定)という一番基本的な部分が大変脆弱であると感じています。